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講師メッセージ
「挫折を乗り越えた
からこそ伝えられる指導」

1. 音大生のイメージって…?

音楽高校・音楽大学を卒業したと聞くと、華やかで恵まれた世界を想像される方も多いかもしれません。
実際、テレビなどで活躍されている素晴らしい先輩・後輩たちが、そうした印象を与えているのだと思います。

けれど、現実の学生生活は、決して一様ではありません。経済的にも環境的にも、生徒一人ひとりが置かれた状況はさまざまでした。医師や弁護士を親に持つ学生もいれば、一方で仕送りだけでは学びに必要な教材すら揃えられない学生もいます。

私は後者の立場で、それでも大好きな音楽を続けたいという思いから、アルバイトをしながら学び続けました。

2. 受験までの辛い日々

私が進学したのは、音楽の名門「桐朋学園」。
そこに至るまでの受験の道のりも、決して平坦なものではありませんでした。

ピティナで全国大会に出場し、受賞経験もある中学時代の私は、少なからず自信を持っていたのですが、中学2年の春、「今のままじゃ絶対に受からない」と先生から言われたのです。
その瞬間、それまで積み上げてきたものが崩れ去り、「絶望」という言葉を初めて身をもって感じました。

レッスンでは、毎回先生からの厳しい指導が続きました。
自分では努力しているつもりでも、根本的な考え方や音楽への向き合い方がまだ甘かったのです。それに気づくまでに時間がかかり、受験までの限られた時間の中で、実技も学科も合格には到底届かない焦りと不安が募っていきました。

家族に心配をかけたくなくて、誰にも言えず、時には一人で川原に行き、
「逃げ出したい」「でも諦めたくない」という思いに涙を流しながら帰ることもありました。

3. 強い想いが考え方を変える

それでも、「どうしても桐朋で学びたい」という強い気持ちだけは消えませんでした。悩みながらも、自分に何が足りないのか、どうすれば合格に近づけるのかを本気で考えるようになったのです。

「実力の差を嘆くのではなく、どうすればその差を縮められるか?」
自分の苦手な部分を正確に把握し、得意なことも含めて自分を客観的に分析。改善すべき点には徹底的に取り組みました。

合格の瞬間は、今でも鮮明に覚えています。
「努力の方向が合っていれば、可能性は変えられる」
ということを身をもって学びました。それが、今の私の原点です。

入学後も、全国から集まったトップレベルの同級生たちに圧倒される日々が続きましたが、受験時に身につけた「自分を客観的に見る力」や「音楽を分析する力」は、私を支える大きな柱となりました。

演奏技術だけでなく、表現力を高めるために、多くの本を読み、さまざまな場所へ足を運び、自ら学び続けてきたことも、今では私の大切な財産です。

4. 私だから伝えられる指導を

「指導したことが伝わらない、言葉が通じない。」
「なんで弾けないの?」
音楽の世界では、こうした言葉が日常的に飛び交います。優秀な先生ほど、説明が感覚的になってしまうことも少なくないのです。

私は、決して天才でもなく、特別優秀でもありません。
だからこそ、つまずいたときの気持ちや、苦しさ、迷いに寄り添いながら、
一緒に「どうすれば良くなるか」「抱えている問題をどう乗り越えるか」を考えるレッスンを大切にしています。

数々の舞台出演経験も活かし、本番に向けた準備や心構えも併せてお伝えし、お役に立てる指導が出来れば幸いです。

「挫折も経験した私だからこそ、心から伝えられる言葉がある。」
そんな想いで、ひとりひとりの成長に真摯に向き合い、丁寧にサポートしてまいります。